スタティックルートマネージャー
IDCFクラウド コンテナでスタティックルートマネージャーをインストールする方法を説明します。
スタティックルートマネージャーをインストールするためにはHelmを使用します。
また今回は、実際にVMを立てて、2ゾーン間での通信を行う方法も説明します。
スタティックルートマネージャーの挙動について
- スタティックルートマネージャーは、IDCFクラウド コンテナでのみ実行が可能です
- スタティックルートマネージャーでは、1つのゾーンから任意のスタティックルートをすべてのノードで設定します
- スタティックルートは複数設定が可能です
- 接続したいVMに対しては、事前にスタティックルートの設定が必要です
- 設定に関しては、こちらをご確認ください
はじめに
スタティックルートマネージャーでは、プライベートコネクトを使用します。
今回は、volt
、ampere
リージョンを使用することを想定した通信の設定を行います。
プライベートコネクトを設定する
ampare
ゾーンとvolt
ゾーンが接続できるようにampare
ゾーンとvolt
ゾーンに追加ネットワークを作成し、追加ネットワーク同士でプライベートコネクトを設定します
CIDRやゲートウェイはご自分の環境で任意に設定してください
ゾーン名 | ネットワーク名 | CIDR(例) | ゲートウェイ(例) |
---|---|---|---|
volt | volt-private-connect | 192.168.0.0/21 | 192.168.7.254 |
ampere | ampere-private-connect | 192.168.8.0/21 | 192.168.15.254 |
voltゾーンにVMを作成する
volt
ゾーンにVMを作成して、標準ネットワークをデフォルトネットワークに設定します- 同時にプライベートコネクトに接続した追加ネットワークも設定をおこないます
作成するVMのスペック、OSなどは任意に設定してください
スタティックルートを設定する
- 作成した
volt
ゾーンのVMにsshなどでアクセスして、スタティックルートの設定を行います - 上記の設定に基づいた場合は、以下の
ip
コマンドを実行して設定をおこいます
ip route add 192.168.8.0/21 via 192.168.7.254
ip
コマンドを実行後、設定したルーティングが追加されていることを確認します
ip route
ampereゾーンにKubernetesクラスターを作成する
ampere
ゾーンにKubernetesクラスターを作成します- 今回、テンプレートは以下の構成のものを指定します
項目名 | 内容 |
---|---|
ゾーン | ampere |
ネットワーク構成 | 標準ネットワーク(デフォルト) + 追加ネットワーク(プライベートコネクト) |
マシンスペック | 任意 |
台数 | 任意 (今回は3台構成で構築します) |
クラスターテンプレート | IDCF Cloud Template (Etcd Backup: Local) ※ Etcdのバックアップ方式は任意です |
Kubernetes バージョン | 任意 (ただし、最新版を推奨) |
- クラスターを作成後、通常通りに
Secret
の設定を行い、初期化設定を完了してください
スタティックルートマネージャーのインストール
- 「アプリ」→「Charts」から「Network Config Syncer」を選択します
- Chart名は
network-config-syncer
で登録されるため、入力は不要です - 名前空間は
idcf-system
を指定しているため、インストール先のプロジェクトはSystem
となります
- 「YAMLを編集」を選択し、
config.routes[]
フィールドにさきほど設定したプライベートコネクトの設定を追記します
config:
routes:
- dst: "192.168.0.0/21" # config.routes[].dst -- Distination CIDR
gateway: "192.168.15.254" # config.routes[].gateway -- Gateway IP Address
- 最後に「インストール」を選択すると、Helm Chartがインストールされます
kubectl
コマンドを使用すると、インストールされたPodやPod内のログを確認できます
kubectl -n idcf-system get pod
kubectl -n idcf-system logs {POD NAME}
疎通の確認
volt
ゾーンに作成した、VMからKubernetesクラスターのノードに疎通がとれることを確認してみます
volt
ゾーンに作成したVMにアクセスするアクセス後、
ping
コマンドを使用して、ゾーンの異なるKubernetesノードにプライベートコネクト経由で接続できるのかどうかを確認します
ping <Kubernetesクラスターノードの追加ネットワークIPアドレス>
以上で、スタティックルートマネージャーのインストールおよび設定は完了です。