Kubernetes のバージョンアップについて
本ドキュメントでは Kubernetes のバージョンアップ時の注意事項や作業手順について説明します。
はじめに
IDCFクラウド コンテナでは定期的に新しい Kubernetes バージョンを追加します。
また、新バージョンの追加と合わせて古いバージョンについては順次サポートを終了いたします。サポート終了時はお客様へご連絡いたしますので、本ガイドを参考に定期的なバージョンアップをお願いします。
Kubernetes のバージョンアップに伴う注意事項
Kubernetes クラスター上で運用されているアプリケーションの可用性を維持したままバージョンアップする場合、次の要件を満たすクラスター構成が必要です。
※要件を満たしていない場合、お客様クラスター上のアプリケーションが一時的に停止する可能性があります。- 3台以上の
etcd
ノードから構成されている - 2台以上の
Control Plane
ノードから構成されている - 2台以上の
Worker
ノードから構成されている
- 3台以上の
「クラスター作成」の「Upgrade Strategy」の項目を適切に設定してください。合わせて、Liveness Probe、Readiness Probe、PodDisruptionBudget を適切に設定してください。
Kubernetesのバージョンアップは必ず1バージョンずつ行ってください。
✕ 1.20.x => 1.22.x
○ 1.20.x => 1.21.x => 1.22.x作業前にetcdのスナップショットを必ず取得して下さい。
クラスターが健全な状態であることを必ず確認の上で実施してください。
バージョンアップを実行すると、
Control Plane
ノード、etcd
ノードのバージョンアップに続き、Worker
ノードもバージョンアップされます。お手元の環境で kubectl をご利用の場合は合わせてバージョンアップして下さい。
バージョンのダウングレードは行えません。
このドキュメントの対象範囲
Kubernetesのバージョン変更に伴う仕様差異などについては本ドキュメントでは取り扱いしません。
その他詳細については公式の Relase History や Releae Notes(Changelog) をご確認ください。
クラスターの健全性確認手順
① コンテナコンソールにログインし、左上のメニューの「Cluseter 管理」から対象クラスターの「Explore」を開きます。
② クラスターダッシュボードが表示されるので、問題のあるコンポーネントやワークロードが存在しないか確認してください。
問題が見受けられる場合はバージョンアップ前に対処してください。
※下記の場合、 5つのワークロード
と kube-scheduler
に問題が有ることを示しています。

Kubernetesのバージョンアップ手順
① コンテナコンソールにログインし、左上のメニューから「Cluster 管理」をクリックします。
② バージョンアップ対象のクラスターのメニューから「設定を編集」をクリックします。
③ 「Cluster設定」の 「Kubernetes バージョン」から現在のバージョンより1つ上のバージョンを選択します。
④ 「Upgrade Strategy」を要件に合わせて設定し保存をクリックします。
⑤ クラスターのステータスが Updating になるので完了までそのまま待機します。
バージョンアップ実行から完了までの動作について
- バージョンアップに必要な時間はお客様のご利用状況に依存します。
- バージョンアップは、「Control Plane => etcd => Worker」順で1ノードずつ行われます。
※それぞれ異なるノードで構成されている場合。
⑥ Kubernetes バージョンアップが完了し、クラスターのステータスが Active になります。